絵は、左から従来のオールスチール製、中央がオールアルミ製、そして右側がオールステンレススチール製です。上段のフック部は左がスチール溶接構造、右がスチール削り出しに表面ショットピーニング処理したものです。
要は、レーシングフック タイプⅤが出来るまでの紆余曲折、涙ぐましい努力、色々な試作(そんな威張るほどではありませんが、、)、苦渋の決断(よし、これだ!と、いうだけですが、、)の結果、右側の商品(製品ではありません)を世の中に発表しました。
まるで現代アートの個展の発表会みたい!と、一人思い込んでます、思い込みが大事な世界ですから、、、。
タイプⅤですから、5回目のモデルチェンジです。
これも、タイプⅡがすぐにコピーされ、市場に出てます。トップブランドの宿命か???
タイプⅠは、964、993ボディフロントバンパーのナンバーしたあたりにアルミのわっかをボディ内側からボルトで固定したレーシングカータイプでした。
タイプⅡから牽引用ネジ(車両のバンパー前後についてる純正の、、)を利用する現行形状に変更しました。ヒントはF355チャレンジが装着していた牽引フックでした、折りたたみ式の、、、。先方は溶接構造でしたので、これをアルミ削り出しのワッカで製作したところ試作の時点で評判が良かった為、ゴーとなりました。ワッカの部分をNC切削機での削り出しでしたので、製品単価は高く定価の設定で苦労したのを覚えています。
初代のアルミリングタイプは表面をアルマイト仕上げとしてなかなかデザインも良く好調な売れ行きでした。が、JAF認定のレース車両に装着した場合、規則違反でしたのでタイプⅢから、材質を規則にのっとりスチール製でクロームメッキ仕上げに設計変更しました。そうするとJAF問題はクリヤしたのですが、代理店や小売店さまから苦情が出ました。
“なぜ、前回タイプⅡのアルミリングを中止にしたんだ”と、、、、。
まあ、どんな商品でも好評であれば生産中止になった時は、ありがたいことですが皆さん、
これを惜しまれ苦情が出るものです。
我々は、じっと我慢してJAF公認の正統派をつらぬきました。
しかし、問題は以外と早く解決しました。
アルミ製は見栄え良く好評でしたが、実際の急激な牽引時に変形するとか、ちぎれるとか、JAF戦のレースに使えないとか、、、。
で、スチールのクロームメッキ仕上げは、強度的にもクリヤして、JAF戦もO,K。
しかし、問題も多少ありました。スチール製だけにクロームメッキ処理してあるのですが一部分錆びる問題が発生しました。特に摺動部分の90度に折れ曲がるリングと本体ボルト部分がメッキが剥がれるという、、、。
この件心配しておりましてクローム処理を完璧にしたつもりでしたが(よく言ういい訳です、)、つもりはつもりでした。
そこで今回の材質変更となった訳です。そして、皆さん一般常識として御存知のとうり、ステンレススチールは表面に腐食の幕を張り、一般には錆びないのです。非鉄金属のような完璧ではありませんが、スチールよりは、、、。
強度と共に、錆びの問題はクリヤしたと思ってます。
しかし、念には念を入れて弊社では腐食テストとして、商品完成以来風雨にさらして経過を観察しております。いまのところなんら問題は起きてませんが、、、。
このように“製品では無く、商品を作れ!”と、前の会社の社長さんに鍛えられましたので(当たり前のことです、ハイ!)、現状に満足することなく、絶えず改良(トヨタさんは改善ですが)と進化(ランサーのようにエボリュウションしていき、今の型式がローマ数字で表される為、自分に今何型だったか解らんくらいたくさん????)、そしてテストを繰り返しながら、、、、。
トヨタ規格にはおよびもしません。御存知でない方にちょっとミニ知識ですが、トヨタ規格というものが存在しております。そお、あの世界に冠たる愛知県豊田市にある、あと一息で地球一番になられるトヨタ自動車(株)です。
ちまたでは色々各方面の企業がISO規格、9001とか14000とか取得されるのに大変苦労されてます。ちなみに弊社もと、言いたいところですが所得の為の説明にその専門業者に来ていただき説明を受けましたが、もちろん止めました。理由は聞かないでください(聞いてないか、、、)。
元来このISO規格なるものはイギリスが発祥の地でありまして、その利権といえば世界中から莫大な利益を生んでいることはあまり知られてませんが、まあ、知っても腹立つだけで何にもなりませんが、、、。
が、規格を統一するということは大変良いことで、例えばミリとインチとかフィートとか
統一して欲しいです。が、日本の酒の一升瓶はそのままで良いです。個人的に、、。
そして、トヨタさんはというと下請け会社にその規格を取得しないとお付き合いしてくれません。これは世界的に一流企業の傾向ですがISO取得イコールお付き合いしましょ、ということなのです。
ところがトヨタさんはというと“そんなもんオレたちには必要ないんじゃ!そんな規格はとっくにクリヤしておるわ!たわけめ!”と、言ったかどうかはわかりませんが鼻にもかけません。それくらい厳しいトヨタ規格なのです。
だからトヨタ車は、どこの国でも大人気です。よくアフリカの山奥とか中国の山ン中とか
奥地、秘境、などのドキュメンタリにちらっとトヨタマークの車両が脇役で登場してますよね!。
これも余談ですが、たしかオーストラリヤだったと思いますが山ン中の険しい道で途中から
道の脇に看板が立っており、ランクル(トヨタ ランドクルーザー 知らない人の為に)オンリーと書いてあるそうです。それ以外の4駆では通過できないんですって、、、。
アイメックさんはというと、もちろんアイメック規格でやっております。
自分に甘く、他人に厳しいと言われながら、、、。
つづく