スタッドレスタイヤ 3
SP44というラリータイヤは、公称はマッド&スノータイヤというものでしたが、オンロードでもその当時としては、普通のラジアルタイヤにもひけをとらないスーパータイヤだったと今でも懐かしく思います。
ダンロップタイヤとしても当時はポルシェ906の時代からダンロップレーシングタイヤを使用してました。もちろんグッドイヤーやファイアストーンも比較の為に時々は使用してましたが、、、。

908や917の時代には車両にダンロップのステッカーを貼ってましたので、そのころからスポンサー料や政治がらみで優先的に使用されてます。
69年の日本グランプリでは生沢徹氏ドライブの910や同じタキレーシングティームからエントリーされたデッビッド・パイパー氏所有の917はスポットでブリヂストンタイヤが初めて使われました。

そのころの縁でポルシェとBSはロードカー用専用タイヤの開発にはいります。
有名なエクスペデア S-01などはその当時現役バイバリであった黒澤元治氏が開発ドライバーとなって連日ニュルブルクリンク北コースで試乗を繰り返してました。
と、ツルタがさも見てたような感じで言えるのにはもちろんワケがあります。

そうそのテストに立ち会った人から聞いたからです。
その当時の天才ドライバー黒澤氏でも何度かクラッシュされたそうです。930ターボを、、、。80年当時で日本価格1,600万円の車両をです。まあ、現地で購入されるのですから多少は安いでしょうが、、、。
BSさんも相当ニュルにはつぎ込んでいらっしゃいます。でないとあの当時の日本技術レベルでポルシェの規格に適合するには相当のご苦労があったと想像できます。
しかし、日本人の勤勉さはゼロ戦を作ったくらいですから、、、、。

で、最近の話にひっととびですが、7年位前にドイツ南部のフライブルグという地方に出張で行きました。12月の20日ごろです。もちろんフランクフルトからは雪が怖かったので電車でしたが、フライブルグ(フランクから南に250Kmくらいですぐとなりはフランス、スイス、オーストリア、イタリアとドイツでありながらヨーロッパ南部の暮らしが出来る比較的温和な過ごしやすいところで大学の町として知られてますが、第2次大戦の空襲で建物はやられ、旧家と新しく建てられた建物が入り組んだドイツとしては和洋折衷の町です)では移動に不便なのでレンタカーを借りました。

到着した日は、雪など無かったのですが運悪く当然のように雪が降り始め5cmくらい次の朝積もってました。
普通、この国ではスノータイヤでしょと思ってましたが普通のラジアルです。
もちろんツルツル、車はプジョーの1300ccくらいの小型車でしたが、TRCコントロールが効いて不便は感じませんがやはり停止時とかちょっと加速時にはカッカッカっとタイヤがやはり滑ります。

注意して見てますと殆んどの車両がスタッドレスタイヤなど装着してません。
たまたま帰りは一部タクシーを使いましたがそのドライバーはへんてこなドイツ語なまりの英会話でスタッドレスタイヤなど知らない、使うのはケッテ、要はタイヤチェーンだと言ってました。もちろんアウトバーンはこんな時でもシャーベット状で融雪材が常時まいてあるので余程のことがない限り、部分封鎖はあっても使用可能なのです。

たまたま、この地方がそうだったのかも知れませんがその後2003年くらいの時、やはり4月ごろ行きましてそれはフランクフルトから借りたのですが、ニュルを走りかったこともありマニュアル車のワゴンをと注文したら“マニュアル車はアールシーズンなにがし、、それだけ、、、”などと、最初は何を言ってるのか解らなかったのですが何回か効きなおすとアールで無く、オールシーズンタイヤと言っておりました。

オールシーズン、すなわちスタッドレスタイヤなのです。で、制限速度210Kmまでだからと言われました。まあ、オートマよりはましであろうと、そのBMの5シリーズディーゼルターボを借りまして、スタッドレスでニュルを走ったのです。

日本ではここ数年スノータイヤといえばスタッドレスのことをさし、雪を経験しない九州、沖縄のかたを除けば殆んどのドライバーの方は冬になればこのスタッドレスの購入を考えられます。まさにタイヤメーカーとすれば、お客様が正月になれば、しめ縄、おせち料理と自然に連想され買わなければいけないような冬特有の商品となり、2度おいしいじゃあありませんが、冬特需が毎年確実に望めるのです。

ましてや、田舎よりも都会では12月上旬にパラときて通勤渋滞にでもなれば、もうバッチリです。昨年はそれがあり12月前半から1月までは明け方まで連日タイヤを組み込んでたと友人のタイヤ屋さんは言ってました。
それくらい日本人は、右にならえ!が大好きで一人だけオイテケボリは、不安でしょうがありません。

その点ヨーロッパとかお隣り韓国では全く事情が違います。
その韓国ではこの時分もう零下何度という世界ですが、あまり雪も降りませんがスノータイヤなど殆んど売れません。普通タイヤが減っていれば考えもしますが“なんで冬用タイヤまで用意せにゃいかんの!”てな具合でそのままのりきっちゃいます。
つづく。