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ディーゼルターボ DTエンジンの最大の普及は、
ボッシュ社が開発しましたコモンレール(一説には
デンソーの開発をボッシュ社が)という、直噴による
軽油の高圧噴射が、劇的にDTエンジンを発展
させたといっても過言ではないでしょう。

直噴ガソリンエンジンでも、最近は200barと高圧になり、ガスの霧状の
最微粒化が可能となり、高性能を発生しますが、ことDTエンジンにいたっては
軽油を2000barまで、高圧にすることで、直噴で、多段噴射といって、
ピストンの副燃焼室無しに、前回お話しました4工程(着火遅れなど)を
ピエゾ式燃料噴射ノズル(BMWなど) で、0,0001秒内に噴射、
複数回燃料(多段噴射)を噴射すること、より効率良い燃焼が実現しました。

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その立役者、インジェクターという軽油を高圧化で多段に噴射するノズルです。

上がソレノイド(抵抗器)式で、下がピエゾ式といい、こちらをBMWが採用!
ピエゾ式の方が、性能(0,0001秒に対し、ソレノイド式は0,0004秒)が
良いと言われてますが、これらも現在レベルアップしています、、。

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もう一つの主役、ターボチャージャーです。
DTエンジンには、VG(バリアブル ジオメトリー)といって、ガソリンエンジン用の
ウエストゲートにあたる、排気調整バルブ(ブースト圧を安定させる為のバイパス
バルブ)が排気ハウジング側に設置されて、排気ポートの内径を調整します。

ちょうど、ジェットエンジンの排気口が、開いたり、閉じたり、、。

DTエンジンは、排気ガス温度がガソリンエンジンより幾分低い為、可能と
言われてきましたが、最近のポルシェ997ターボはVGTを採用、、。
時代の流れです。

ガソリンエンジンは、加給圧を設定以上に上げると燃焼室の爆発圧力が
上がり、最後には、ノッキングという異常燃焼(自然着火)が発生、そのまま
継続しますと、ピストン破損、溶解など大きくダメージが出ます。

しかし、DTエンジンは、そのノッキング(自然着火、自己着火とも)を
わざと起こして、ピストンを稼動してます。
加給が上がれば、性能も上がるという、ディーゼルエンジンとターボは、
相性が良いのです。
エンジン強度と加給器の性能が許す限り、いくらでも加給圧を高めることが
可能なのです。

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これら、エンジンは、多段加給の見本です。
ツインターボやトリプルターボで、低加給から高加給をカバーします。
同じエンジンでシングルターボが173Kw(235PS)、
ツイン(シーケンシャルターボ)で210Kw(272PS)、
そして、トリプル(シングルターボ+シーケンシャルターボ)ターボ
仕様で280Kw(380PS)パワーを発生させます。

BMW 3L 直列6気筒 N57Sエンジンです。
3種類のエンジンライナップされ、それぞれ、選べます。

380PSのトルクは、何と740Nmで、これはアイコード996ターボ
550PSのチューンナップと同等のトルクです。
エンジン回転数4000RPMで、、。

まだ、本国でしか販売されてませんが、日本の排ガスユーロ6を
クリア出来れば、ポルシェターボを追い回せます、、。

恐るべし、ディーゼルターボエンジンです。

ちなみにBMW アルピナD5というDTエンジンは、本国では
ツインターボで、、。
ま、止めておきます、日本の規制に苛立ちを覚えるので、、。

ハイエース 3L DTエンジンは、140PSですが、これが
350PSを超えたら、直線だけならポルシェとバトルが、、。

トヨタDTエンジン開発部の皆さん、キングオブエンジニアは、
あなた方のものです!!!

このくらい、上げれば気分良いでしょ!
つづく。