993カレラ M64エンジンの心臓部です。
これから、OHに入ります。
ピストン&シリンダーは、リング交換のみ、
ホーニング加工は、やりません。
重要なのは、シリンダーヘッド部です。
圧縮圧を安定させるためには、ヘッドにあるバルブ&
バルブシートの密着性です。
それには、バルブガイドが、ガタがありますので、バルブ
ガイドをオリジナルのリン青銅で、製作し、打ちこみます。
また、バルブ&バルブシートは、研磨とカットを行います。
これが、ファインチューンとなります。
また、バルブのクリアランスを自動調整するラッシュ
アジャスターは、高価ですが、問答無用で交換します。
コンロッドは、大端部、小端部とメタルは交換。
クランクケース側の親メタルも、新品交換します。
クランクシャフトは、メタル部分の大きな傷など
皆無なので、手で磨いて終了です。
これらが、M64空冷ドライサンプエンジンの構成です。
これらが、1966年の911デェビューから、24H
レースにも、使用され、数々の栄光を勝ち取りました。
それが、そのまま、ストリートカーに搭載されて
いるのでありまする!
ボクサー空冷エンジンが、ここまで、長生き出来た
秘訣であります。
構造は、そう、シンプル&ビュテフルであります。
本田宗一郎さんでも、無し遂げられなかった空冷
3L以上の排気量エンジンでの、レース参戦が、、。
本田さんの名誉の為に、少し言い訳するなら、
ホンダF1 RA302は、強制空冷のポルシェとは
ことなり、自然の風を取り込む方法で、オイル、エンジン
本体など冷却しようとしました。
ホンダ1300などの、排気量であれば、自然空冷
でも、何とかなったでしょうが、3L V8エンジンでは、
レース用に使用する場合、やはり油温管理の問題は、
大変重要です。
ポルシェの場合、空油冷といって、強制的にファンで
エンジンシリンダーなどを冷却し、オイルも、オイル
クーラーなど使用して、冷却しました。
話は、飛びますが、第2次大戦中のゼロ戦などは、
自然空冷ですが、シリンダーが、直接、大気により、
ましては、高度の高い、気温の低い状態での使用
でした。
これらは、日本のアルミ鋳物製造の技術力です。
RA302は、結果論ですが、強制空冷を取り入れて
いれば、もそっと、状況は、変わっていたかも、。
当時のアルミヘッドや、シリンダーのフィンは、鋳物
で製作されましたが、絵で見ていても、素晴らしい
鋳物製作技術であります。
バイクの空冷フィンであります。
空冷用ダクトが、たくさん、、。
テスト走行時は、オイルクーラーが、随所に、、。
ジョン、サーティス氏が、鈴鹿サーキットでの、
テスト風景です。
彼は、やはり、見切っていて、レース本番では、乗り
ませんでした。
で、ピンチ、ヒッターで、フランス人ジョー、
スレッシャー氏が、乗って、参戦しましたが、レース中、
土手に乗り上げ、事故死しました。
で、RA302は、お蔵入りとなりました。
何故に、アタシが、こうも、RA302を慕うかというと、
当時の広島で、ホンダディーラーに、その車両が展示
されていたのです。
雨に、野ざらしで、俗にいう、ドサ回りされてました。
まだ、中学生だったのですが、感動しました。
オートスポーツや、オートテクニックという、当時の
レース雑誌でした見たことのない、F1カーが、ある日
突然、目の前に現れたのですから、、。
それに、比較してポルシェ917は、、、。
市販レースカーとして、結果35台以上が、生産、
世界中を席捲しました。
強制空油冷、水平対向12気筒、4,5Lエンジンです。
アタシャ、幸運にも、このエンジン単体をドイツ、
フライジンガー社のショールームで、2台見ました。
大きかったです。
昔の話を繰り返す、ツルタでありまする!
つづく。