この車両のオーナーには、数年前からオイル漏れの
ことは、伝えてありましたが、海外駐在もありまして
やっと帰国、その間親戚の方が機関保持の為、
乗っておられました。
やっと修理のご決断をなされ、今回となりました。
症状はひどく、エンジン始動後1時間も置いていれば
そこには3cm以上のオイル漏れが出来ます。
この原因は、やはり左右クランケースを繋いでる
スルーボルトのリング状オイルシールが劣化しての
オイル漏れです。
乗り方を換えればと言われますが、日本国内では、
ストップ&ゴーの市内で使用すれば、やはりまた
起こる症状ですが、最近は、皆さん扱いにも慣れ、
エアコンを使用した長い渋滞の夏を避ければ、
起きない症状です。
エンジンオーバーホールともなれば、シリンダーヘッドも
同時に点検したいところで、、。
これら空冷M64エンジンは、エンジンバルブの
バルブガイドが、ガタの為オイル下がりとなります。
このような場合は、バルブガイド交換、そして
同時にバルブシート&バルブの研磨を行います。
圧縮圧向上の為、、。
カーボン落としも同時に、、。
あと、だらだらと市内を2000RPM以下で運転してる
車両のカムシャフト&ロッカーアームは、オイル潤滑
不足で虫食い状態になる場合、多いです。
このような場合、最悪カムシャフト&ロッカーアーム
交換となりますが、お高いので、何とか誤魔化します。
ま、しかし、限界もありますので、、、。
10万キロくらい走行してるエンジンでも、ピストン&
コンロッド&クランクあたりは、全く問題無く再使用します。
クランクケースがひん曲がってることもありますので、
慎重に点検します。
もちろん、ピストンリング&親、子メタルなどは交換します。
この時、予算に余裕有ればWPC加工(ピストン&シリンダー
表面にショットピーンニングする)で、ストレスを少なくすると
シャンと回ります。
交換したいパーツは、山ほどありますが、よく点検して
電装品、ゴム類、センサー類は再使用します。
当事1000万円もした車両です、ケチルとその代償は
少なくありません。
自分たち作業側は、オーナーと相談しながら最小の
予算、最大の仕上げを心がけてます。
つづく。