ea94f1be.jpg絵は、空冷M64エンジン初期物の圧縮比を点検してるところです。
このような測定器具は、ポルシェをメンテナンスし始めました、
90年ころから購入し、使用してます。
実際、4番シリンダーエクゾーストバルブが変形していました。
入庫した時、アイドルなど正常、どこも悪い感じはしませんでした。
しかし、オーナーの”このごろ調子悪いんだけど、、?”なんて、、。
シャシーダイナモ測定では、220PSでした。
30PSどこかに行ったか(純正は250PSなので)、、?

それ以前は、直列エンジンが主でしたので、上からプラグホールにゴムの
栓が付いたシャフト(圧力メーターが付いた)を突っ込み、ズっと一人が押さえていて、もう一人がエンジン始動しないようにIGコイルなどを抜き、セルモーターを駆動し、アクセル全開で数秒クランクさせ、圧縮比を計るという原始的な測定具しか
知りませんでした。

この測定器具はボッシュ製で当時購入金額は、高かったことを覚えてます。
しかし、測定器としては抜群で、例えばインテークバルブがピストンタッチ
(過回転による)して少し曲がる場合があります。

よく言うシフトダウンミスです。
そんな場合、3,6Lもあると少しくらいの圧縮漏れではアイドリイングも
正常でなかなか気がつきません。
しかし、これで測定すると上支点0度にクランクを合わせ、イン、エクゾースト
バルブ両方閉じた状態にして、プラグホールから特殊なメーターの付いた空気を
送ってやると、正常な場合、メーターは0を示しますが、少しでも抜けていると
抜けた分メーターの針が動くのです。
その動いた割合で、まだ大丈夫かオーバーホールかを判断出来るのです。

また、抜けた空気は漏れる時、音を出します。
”シュー!”っと、、。
その音がインテークポートからかエクゾーストポートから聞こえてくるので、
どちらが壊れてるか、これも即判断出来ます。
クランクケースから聞こえてくることはまれですが、ピストン&シリンダー
に異常があると判断出来ます。

964ターボは、特にシリンダーヘッドボルト破損が良くありますので、
何か調子悪いけど、何を変えても直らない場合、これが原因の場合が
多いです。
この場合、どちらとも無くシリンダーヘッド付近で聞こえますので、
これだ!と判断出来ます。

あーあ、今回も長いツルタ節と相成りました!
つづく。