996カレラ 後期モデル Tip車両です。
右ハンドルの、、。

エンジンを問答無用で、OHします。
このM96エンジンは、997カレラ系のM97同様、エンジン
の設計不良(と、アタシは呼んでる)の為、ピストンと
シリンダーが、カジルという信じられない!
現象が発生しております。
ので、今回、オーナーさんのI氏の依頼で、”ツルタ君、きみん
ところで、EGオーバーホールしてくれよ!などと、、。
ま、何処かで作業しようとされていたようですが、アタシが、
たまたま、そのお悩み(修理をどこに)の真っ最中に、
別件で、お電話したのが、そう、それがキッカケであります。

車両は、まだ、パっと見ただけですが、素性はよさげです。
外装は、キレイ、下回りのキレイ、性能は、普通と、
全くケチつけるところはありません。

エンジンは、ゼンバラで、ピストン&シリンダーは、かじり
対策の為、鋳鉄スリーブを圧入します。
あとは、シリンダーヘッドのファインチューンを、。

OH前に、パワーチェックしました。

3,6Lエンジンで、カタログ値320PSですが、11万キロ
走行のこの車両は、295PS出ました。

エクゾーストシステムに、社外品が組み付いていて、これが
触媒が付いておらず、排気効率が良くなりますが、ECUは、
吸気容量に比べ、燃料が少ないので、点火時期を遅くして、
エンジン保護するのです。
ので、これが、純正排気システムであれば、もすこし、パワーは、
出ていると判断出来ます。
社外品マフラーのみであれば、ECUが、補正する範囲内で
燃料を出しますが、触媒レスですと、996GT3初期もの
の場合ですと、カタログ値、360PSです。

当時、アイメック時代、いけいけのツルタ君は、触媒レスの
ステンレス製ストレートパイプを製作、組み付け、早速
パワーチェックしました。
すると、なんと、380PSまで、跳ね上がりました。
嬉しくなって、スズカサーキットで、タイムアタックしましたら、
ドライバーが、1週目の後半から、なんか、パワーが出なく
なったようだ!などと、、。

そんでもって、帰社し、パワチェックしましたら、330PSに、。
エンジン君は、危険を感じて、遅角したのであります。
対策は、そう、ECUの燃料増量しかないので、ありまする!

まあ、そんなこんなで、ポルシェの水冷エンジンは、繊細なので
あります。
マフラー交換で、パワーが上がる!などと、嘘つきであります。
ちゃんと、それなりに、燃料を増量してやらないと、、。
ECUの補正範囲は、メーカーさんによって、多少違いはありますが、
ポルシェクラスになりますと、オーナーさんは、そう、大概、
サーキットなどで、腕試しされます。

そんな時、調子に乗って、排気、吸気系をいじる方は多いので、
それらの安全対策もあり、少しでもパワーアップした場合は、
安全対策がされるのであります。
そのころから(2000年)、、。

空冷993のRSにも、アタシは、調子にのって、ストレート
パイプを製作しましたが、こちらも、やはり、ECUのチューニングは、
必要でしたが、ECUチューンなしで、パワーが落ちることは、
ありませんでした。
しかし、やはり、サーキット走行では、上手いドライバーでも、
ラップタイムは落ちました。
低速時のトルクが減った為、鈴鹿などでは、顕著に、加速感が
悪くなるのであります。
シラウトさんは、排気音が大きくなるので、エエ感じですが、
タイムは変わらないか、落ちます、、。

とまあ、話がそれましたが、チューニングは、ポルシェに対しては
2000年当時から、すでに、簡単ではなかったのであります。
やはり、アウトバーンや、ニュルブルクリンクなど、エンジンの
全開時間が多いからでしょうか、、。

つづく。