996
C4S用3,6L クランクケースASSYの新品が
入庫しました。
これは、今回、壊れてましたエンジン、、。
片側3気筒の全てがピストンかじりの状態で、反対側も
正常とは思われず、尚且つ削れたアルミクズがエンジン内を
回ってると思われ、スリーブを新調して組むことも、検討
しましたが、オーナーさんと相談し、苦渋の決断で、
今回、リビルト品(内容は、新品)を購入、壊れた
クランクケースは、下取りで送り返します、PJに、、。
これで、価格は、1,582,000円税別(2月現在の価格)です。
高いと思うか、又は安いと思うか、、。
シリンダーヘッドは、剥がした時、ペキンと音がして
剥がれましたので、変形してると判断。
平面研磨しました、0,2mmほど、、。
オーバーヒートもしたようです。
しかし、面研した加工屋さんが言うには、通常、両サイド
が内側に反るのだけど、今回は外側に反っていたと、、。
どちらにしても、原因がピストンかじりとオーバーヒート
の両方が、同時とは言いませんが、因果関係はあったと
思います。
絵のような、シリンダケースの水路が丸見えのオープン
デッキと呼びますが、これらは生産性が良く、原価も
安価に出来きますが、シリンダケースの上部の変形や
ガスケット吹き抜けなど、996以降のエンジンは、
ウォーターハンマーといって、ラジエター液が、シリンダー
内に侵入して、ピストンの圧縮工程でシリンダーケースが
割れるケースが多いです、、。
ポルシェ博士が存命でしたら、この設計はさせなかった
かも、、。
話は、ポルシェ956/962Cに移ります。
絵は、右が956の2,7Lエンジンの空冷シリンダーと
水冷ヘッドが溶接の一体構造になった物です。
左は、962以降、3L以降の全水冷式のシリンダー&
ヘッド物です。
これは、第2次大戦時、メッサーシュミットME109も
採用されたベンツエンジンV12でも、シリンダーと
ヘッドが溶接され、シリンダーヘッドガスケットから
吹き抜け無いようにする為でした。
どちらも、ターボ加給、スーパーチャージャー加給器が
付いていましたので、その対策であったと、、。
その同じポルシェが、このような設計を、、、。
あーあ、またグチってるアタシです。
オープンデッキ構造を非難するつもりは、毛頭ありません。
現に、国産車など、多く採用されてますから、、。
しかし、新規の991系など、シリンダーがどういう
構造になっているか、、、。
つづく。