996ターボTipが入庫しました。
オーナーさんは、他にF社のきれいな車両もお持ちです。
以前よりご来店いただき、色々ご質問されましたが、
この度、チューニングすることを決められました。
サスペンション系は、純正ショックをフロント倒立型の12段
減衰調整式、リヤを分解して設定変更に改造します。
OHと同時に消耗品(シャフトなど)を点検、必要ならば
新品交換します。
バネは、過去の経験上純正バネを再使用すると車高が
数十ミリなぜか上がるので、社外品のスポーツバネを
使用します。
同時に、アッパーマウントなど、新品交換します。
エンジン系は、デジテック製ECUデータを書き込みます。
大体30PSくらい性能アップします。
今回、悩まれました。
アイコードでは、ターボのハイフロー加工などと、同時に
ECUチューニングで500PSを超える仕様もありますが、
オーナーさんは、まずは小手調べでと、、。
スパークプラグは、最近交換されたそうですが、IGコイルは
交換していないそうで、点検の上、IGコイル本体に
経年劣化のクラックが入っていれば、、、。
この時、純正EXマフラーを外さないと、部品が交換
出来ませんので、二度手間になりますが、、。
何故に、IGコイルを交換しなければならないかというと、
標準は、ブースト圧が0,7barですが、ECUでブーストを
1,0barくらい上げるので、燃焼時の爆発圧力は上がります。
そうすると、燃焼室内のスパークプラグは、火が飛びにくく
なりますので、IGコイル本体に小さなクラックが入るのですが、
スパークプラグは、火が飛びにくくなった分、コイルの
クラック部分から周りにリークして、火花を飛ばします、、。
すると、スパークプラグに高圧電流がいきませんので、
失火となり、加速中(低回転では、ブースト圧が上がってい
無いので、何とかスパークしますが)に、4000RPM
付近の最大トルクが発生するブースト圧も最高潮の
1,0になる前に、バッバッバっと息つきします。
オーナーさんは、鋭い加速を味わう寸前で、”どうしたの!”
などと、慌てる訳であります、、。
ということで、長い説明になりましたが、事前の完全なる
整備がターボ車には、特に必要なのです。
この症状は、GT3などのNA車両でも発生してます。
つづく。