a89a5fac.JPGヘッダー(タコ足) 
ヘッダーは、エクゾーストマニホールドとか簡単にタコ足とかいいます。
この件前回も説明しましたが、同じことを何回もいう年頃になりましたのでご容赦ください。
この排気管は、歴史は古いです。当たり前ですよね、オットーサイクルのガソリンだろうが、デイーゼルだろうが圧縮された混合気が爆発、膨張し排気バルブから大気に排出される時、この高温のガスを離れた場所に導く管が必要となり、排気管が誕生しました。

現在では、排気音を消音する為のマフラーと大気汚染を防ぐ為の触媒装置を通過することが義務付けられておりますことは、皆さん先刻承知でります、、、。
そして、この排気管は、そのエンジンの性能を引き出す上でかなりのウエートをしめるパーツであるのです。

NAの場合、使用用途に応じて安価な鋳鉄の鋳物で製作されますが、乗用車の場合、近年ではそれもステンレス製の溶接構造管になりつつあります。
これは単価を下げながら、排気性能も上げつつ計量化も必須であるからです。

ヘッダー、タコ足と言った方が自分たちはなじみ深いのですがこの呼称は、フジツボ技研の初代藤壺氏が命名され意匠登録もされました。藤壺氏は、ご自身で2サイクルエンジンなども開発された優秀な技術屋さんです。
で、そのころの排気管又は、プレスベンダーいう1つのアールに対し、パイプを外側から1箇所プレスして曲げる為、直管部分と段差ができ性能もさることながら、美観も損ねてました。
藤壺氏は、そのプレスベンダーからローリングベンダーといってパイプの中に真がねといってパイプのへこみを無くすため、外側も駒を回すようにパイプを曲げていくのですが、その真がねが丁度同じように内側にも突っ込みへこみの無い、そして管径もそのままのアールのついた曲げパイプが製造できたのです。

レーシングカーの場合は、コストを無視しますので当時はあらかじめきれいに曲げた部分を溶接で繋ぎ合わせました。
また、パイプの中に小粒の砂などを詰め圧縮した状態で曲がる部分の外側をプロパンバーナー等で、加熱し少しづつ曲げていく通称“焼き曲げ”で製作しました。
自分もよく焼き曲げしたものです。ちょっと自慢話、、、。

これらヘッダーは、鋳物マニや大量生産の機械曲げに対して、何が違うのでしょう。
一言では説明しきれませんが、エンジン性能、特にトルクバンドとも言いますが
このトルクバンドは大体カムシャフトで決まりますが、メーカーの設定した馬力をあとはいかにコスト下げて製作するかになるのですが、やはりこのメーカーのデザインにはコスト面で限界があり、ポルシェでさえ限界があるのです。
では、フェラーリはどうかというとこのメーカーは、エキゾーストノート命ですので、それはメーカーでは、これが限界です、、のレベルのタコ足を製作してます。
ちなみにF355の純正タコ足はよく壊れるのですが(原因は解っておりますが)、片バンク50万円ちかいお値段です。念のために、、、。

ポルシェも993までは、結構金掛けて製作されてますが、964から993にかけて取り回しも改善され現在の水冷のモデルもこれにならっておりますが、、、。
で、993までは空冷の為、ヒートエクスチェンジャーなる複雑怪奇なる、ようはヘッダーのうえにカバーの様なものを付け、その中を空冷ファンからの圧送された空気をその中に通し、電動ファンで捕促し冬の寒い中室内に快適な温風を送っているのです。
ですから、純正は複雑な為、アフターパーツでのタコ足は価格が高い割りに性能は余り変わらないので弊社では、お薦めしてません。

レース車等は、964,993共に溶接構造のきれいなタコ足でしてヒートエクスチェンジャーは付いてません。
で、弊社では、996/986の水冷車両からタコ足なるものを製作販売してます。
写真の物は、996カレラ用ですがノーマルと比較して欲しいのですが、ノーマルはタコ足というよりもイカ足(比喩が悪くてすみません)とかいって少し見下しております。

大体、996系は、トヨタ改善を取り入れ大幅なコストダウンを実現したモデルなのでデザインを担当した方に気持になれば憤懣やるかたないでしょうが、量産車であればあのデザインで十分と上司より判断されたのでしょう、、、。

まあ、6,500RPMくらいのエンジンであれば、、と思いますが、自分としてはやっとこちらにもチャンスが廻ってきたと思い、これをいかに安価で提供できるかにかかっておりますが、最近は良い仕事を安価に出きることが可能になりました。
性能は、やや高回転型になりますが気になるほどではなく、その分3,500RPM以上のパワー、トルクが向上しました。ECUの併用でモアパワーとなりますが、タコ足だけでもパワーアップします。ご安心ください。

そして、これはもう1つメリットがありまして4,000RPM以上の中域よりフェラーリサウンドを発生させました。
排気温もアイドリングから1から2dcb大きくなりました。
弊社マフラーと併用されますと心地よいサウンドが得られました。
つづく。

Comments

  1. 初めて訪問させていただきました。
    とてもリアルなお話が聞けて感謝です。

    993の高回転域でフェラーリサウンド?と言うかドコスコ、バラバラ音を減少させ、澄んだサウンドにするにはどうしたらいいのでしょう?

    ステンレス、巻きのマフラーエンドで実現したいのですが、、、。

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